校長室より
令和5年度修了式講話
皆さん、おはようございます。
思いのほか寒い修了式となりました。皆さんの心身の健康状況はいかがでしょうか。…
コロナやインフルエンザもまだ時として猛威を振るいます。先週は、28人が一気にお休みしたクラスがありました。研究も進み、それほど怖い病気ではなくなりましたが、警戒や対策は続けましょう。
少し時間をいただいて3点お話しいたします。
まず、3学期を振り返ります。3月8日に卒業式を行い、249名の3年生が卒業しました。2年生の皆さんは一緒に式場でお祝いしてもらいました。厳かな式に立ち会い、来年に向けての意識も持ってもらえたかと思います。1年生は出席はしませんでしたが、あとで部活動等でお祝いをしてもらえたものと思います。
3学期の成果を見てみましょう。通知表には自分が思うような結果が残せたでしょうか。数字に残る立派な結果を残した人は少なくありません。評定平均が4.3以上の成績優良者は1年生15人、2年生35人でした。特に2年生の頑張りは注目すべきものだと思います。よく頑張りました。
思うような結果が残せなかった人、くよくよしても仕方がありませんし、
開き直って気にしないのも進歩がありません。冷静に、失敗を分析して、良くなかったことを直しましょう。
次はきっと、結果を出す、そう決めれば結果が出ますよ。自分を信じてください。それが唯一の方法です。
2点目は、交通事故防止についてお願いです。今年度これまでの事故件数は、前年のおよそ6割に減少しました。前年度47件、今年度28件です。皆さんが十分に注意をしてくれた結果だと思います。本当によかったです。単独事故が16件と過半数です。けがが重かった生徒もいます。タイヤが細いこともあり、よく滑ります。スマホを見ながらの事故も見受けられ、事故に至らないケースは相当あるものと推測します。やめてください。車や他の自転車との事故もあり、治療や処理には大変な手間や苦労が
伴います。引き続き気を付けてください。お願いします。なお、自転車ヘルメット着用モデル校の委嘱期間が
この3月をもって終了となります。きのう、埼玉県警の担当者の方がお見えになり、委嘱を受けたことに対して、桶川高校が感謝状をいただきましたので、ご報告いたします。
今後も自転車乗車時のヘルメットは、自転車に乗るすべての方の命を守る大切なアイテムです。皆さん自身だけでなく、
友達もご家族の方も、自転車乗車時のヘルメットを、法律に従って着用していただけたら、と思います。
もしも事故に遭って、損害賠償問題に発展した時、ヘルメット着用の努力義務を果たしていなければ、
過失相殺の結果、もらえる賠償金が減ることがあると言われています。ヘルメットの種類が増え価格は安いものも揃ってきました。一見帽子のように見えるものや髪型崩れを防ぐインナーヘルメットというものもあります。
「これならかぶれる」というものがきっと見つかります。自転車に乗る時はヘルメットをかぶって、大切な命を守りましょう。
3点目は、よく知られた化学実験の定説に疑問を持ち、新たな説を示した2人の高校1年生のことをお話しします。
2人は宮城県仙台市の高校に通い、自然科学部に入っています。火であぶった白金の箔(はく)に水素ガスを吹き付けると、
爆発的に燃える実験を見て驚きました。「水素に火などのエネルギーを与えていないのに、なぜ爆発するのか興味を持った」と言います。
この現象はこれまで、白金の触媒作用で、箔の表面についていた酸素原子が水素原子と反応し爆発するためとされてきました。しかし、条件を変えて実験を繰り返すうちに、疑問を持ちました。箔を重ねて厚みが増すと、爆発が起こらなかったからです。
定説通りであれば、厚さは関係がないはずです。表面だけでなく、裏面も関係しているのではないか――。試しに裏面にセロハンテープを貼ると、爆発は起こりませんでした。
2人は実験と分析を進め、箔の裏側にある酸素が、箔に開いた小さな穴を表側に通り抜ける時に触媒作用が起き、定着した酸素原子と水素原子が反応し爆発することを明らかにしたそうです。この成果は昨年、ある自由研究のコンテストで高く評価されました。そして日本代表として世界でも5月に発表をするそうです。審査に当たった方は「定説をうのみにせず自分たちで仮説を立て、実験し検証した。方法もユニークでよく考えられている」とたたえました。2人は「研究をより発展させ、触媒反応を効率化し、白金の使用量軽減を目指したい」と語りました。実験では、箔が柔らかくて形が不安定なことや、
ハサミで切る時の静電気に悩まされたそうです。実験が簡単にうまく行くわけではないのですね。
定説や当たり前になっていることがらがいつも正しいとは限りません。自然科学の分野に限らず、何でもそうです。「なぜ、どうして、これはおかしい」という疑問が世の中を良くしていくことにつながっています。若いみなさんは基礎基本を大切にしつつ、疑問をそのままにせず、より良く生きていきましょう。
さあ、令和6年度もいいスタートを切りたいものです。明日から16日間の春休みです。
交通事故やトラブルに遭わないよう十分に気をつけてください。換気などの感染防止や、体調管理も続けてください。
4月8日の始業式には元気な顔を見せてください。それでは、皆さん、よい春休みを!
令和5年度卒業証書授与式式辞
暦の上では春となって久しくも、その春が行きつ戻りつしているかのようで、時に寒さや雪に見舞われます。…
…それでも春の歩み着実で、近隣の梅の花など早春の花は、見頃を迎えて咲き誇っています。
本日この佳き日に、桶川市教育委員会教育長職務代理者水村実男様をはじめ、ご来賓の皆さま、保護者の皆様のご臨席の下、令和五年度埼玉県立桶川高等学校第五十回卒業証書授与式を挙行できますことは、卒業生はもとより、私達教職員にとりましても、この上ない慶びであり、心から感謝申し上げます。
保護者の皆様もこの喜びはひとしおかと存じます。心からお祝いを申し上げます。卒業生の皆さんの高校生活は、新型コロナウイルスの影響を大きく受けました。特に二年生までは、行動制限も多く、コロナ禍前の高校生活を知る私たち年長者の目には、総じて気の毒に写っていました。しかしながら、あなた方にとっては、前はどうだったかなどという尺度の持ち合わせがあるはずもなく、桶高でのこの三年間こそが高校生活の定義でした。あなた方は、一つ一つの経験のその時その時を大事にし、楽しみながら、精いっぱい過ごしてくれました。
部活動でも、先輩の背中を追い、驚くほどに成長し、そして後輩の憧れになりました。この三年間を通じて、たくさんの思い出ができました。高校生活最後を締めくくる今日の卒業式を、胸を張って大きく息を吸って迎えられたことを嬉しく思います。また、本日、ここで一緒に祝うことはできなくても
皆さんの卒業を心から喜んでいる人がいます。後輩の一年生たち、小中学校の先生やお世話になった方々、ほかにもまだまだ顔が浮かびますね。心は一つです。気持ちを想像し、卒業式を味わってください。只今卒業証書を授与しました二百四十九名の卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。
皆さんの努力と保護者の皆様や周囲の方の支援が実を結び、今日の卒業につながりました。これからは、それぞれの道を、決意をもって前に進んでください。人生の新たな門出を迎えた皆さんに、正直に生き、人に信頼される幸せな人生を送ってほしいと考え、一つ、お話をします。
昔、十九世紀のアメリカで、ある二十歳過ぎの貧しい家の出の若者が店員として働いていました。ある日、そろそろ閉店という頃合い、手元の現金を計算すると、何度計算してもほんの少し多く残っていました。今と貨幣の価値が違いますし、諸説あるので大体になりますが、ざっと三千円の買い物で十円程度と思ってください。よくよく思い出してみると布を買った常連の女性客にその分だけ多くもらってしまったことに思い至りました。彼は、すぐに店仕舞いをし、夜道を二時間ほど歩いて、女性の家までお金を返しに行ったといいます。そして、彼は、ごまかしも、嘘も、言い訳も言わず、素直に心からお詫びをしてお金を返しました。感激した女性から若い店員の彼が得たものは、「正直者」という何物にも代えがたい評価でした。その後、彼はますます多くの人に信頼されるようになり、およそ三十年後、彼はアメリカ合衆国第十六代大統領になりました。歴代大統領の中で最も有名で偉大な大統領の一人です。彼の名は、エイブラハム・リンカーン。どんな人にも誠実に対応し、正直さを貫くことで、他人の信頼を得て、社会的な成功も収めました。人から信頼されることは、人生における心の豊かさ、幸せの実感にもつながるでしょう。ぜひ皆さんも正直に、誠実に、今後の人生を歩んで行ってください。
どうか皆さんの前途が、心身ともに健康で、充実したものでありますよう心から願い、式辞といたします。
令和六年三月八日
埼玉県立桶川高等学校長 小林 美奈子
第3学期始業式講話
皆さん、新年おめでとうございます。令和6年が始まりました。今年もよろしくお願いします。
2週間あまりの冬休みを終え、…
…無事に皆さんを学校に迎えることができ大変嬉しく思います。
今日は皆さんに1点、お話しします。
まず、日本の今年の始まりは、大変でした。元日から大きな地震、2日には航空機事故、3日に大規模火災など次々と大きな損失を被る出来事が続いて起きました。テレビニュースなどで、家や自動車、道路、航空機などが、なすすべもなくその形を失ってしまった様子を見ると、直接関係がなくても、ショックを受け、呆然としてしまいますね。皆さんの中に、親戚の方が被害を受けた、などということがあったり、あるいは、募金や支援の手を差し伸べたりした、という人もいるかもしれません。社会全体で、助け合い、協力し合う姿勢はとても大事です。
羽田の航空機事故と北九州の大規模火災はどうやら、人が原因を作った人災のようです。誰でも、事故や火災を起こそうと思って起こす訳ではありません。何か小さな失敗があったのでしょう。しかし、その結果が今回の事故や火災のようにとんでもなく大きなことになる場合もあります。その代償は想像以上かもしれません。
ここで、「失敗」について、ちょっと違う側面から考えてみます。人間はいつもうまくやろうと思って行動しています。
でも、失敗することがあります。失敗してはじめて、自分の間違いやいたらなさに気づきます。そして「どうして失敗したのか」「何がいけなかったのか」と反省し、「どうすればうまくいくのか」「何をすればいいのか」を真剣に考えます。この過程を踏むことでこそ、人間は成長するのです。
失敗は、成長のために必要です。大人になってもそうですが、特に、皆さんのような成長期にはなくてはならないものです。失敗や間違いを恐れて、やらない、というのや失敗の後に、反省や改善が適切に行えないことは失敗することよりも、もっと悪いことです。
このことをうまく表現した言葉があります。昔から『失敗は成功の元』『失敗は成功の母』と言ってきました。それから『「失敗」と書いて「せいちょう」と読む』というのもあります。
将来、あなた自身や社会にとって重大な結果を招く失敗をしてしまうリスクを少しでも下げるためにも今皆さんは、しっかり取り組んで、失敗したら、反省して、よりよくなろうと、一歩一歩、進むしかありません。その積み重ねが明日のあなたを作ります。
2学期始業式で野村克也さんの名言の話をしましたけれども最後の3つ目は、野村克也さんの言葉を借りています。
さて、休み明けに心がつらくなったら、我慢しないで相談してください。担任の先生、教科や部活、保健室の先生は、いつでも皆さんを待っています。電話やSNSなど、人との接触を避けて相談できる方法もあります。ちっぽけな悩み、と思うことでも、しっかり聞いてくれる人が必ずいます。
これで終わります。
第2学期終業式講話
皆さん、おはようございます。今日で学校は一区切りとなり、2週間余りの冬休みを迎えます。
今日は5点お話しします。…
…2学期の学習を振り返って、修学旅行の話、自転車の安全利用について、世界のこと、ダンス部の活動に対して桶川市長からのメッセージの紹介の5点です。
2学期の学習面では、授業にしっかり、真剣に取り組み、良く学ぶことができました。成績会議で報告された、評定平均4.3以上の成績優秀の生徒の数は、73名(76)でした(( )内は1学期)。1年生14(14)名、2年生35(31)名、3年生24(31)名でした。よく頑張りました。おめでとう。よかった人も、これからの人も、経験を生かして締めくくりの3学期につなげてほしいと思います。
2年生の修学旅行について、ほかの学年の皆さんにもご報告します。ご存じのとおり沖縄に行きました。埼玉県民から見ると海はまぶしかったですね。4日間雨にも降られず、満喫できました。また、沖縄戦について現地で学びを深めることができ、今も続く苦しみも知り、被災者の強い感情に触れました。それぞれが心に思うことがあったと思います。インフル感染者が出て、保護者の方に沖縄までお迎えに来てもらうというケースが出てしまいましたが、多くの生徒は貴重な経験ができました。2年生の決意、頑張り、それに良い学びを得ることができました。
3点目は、自転車の安全利用についてです。皆さんが気を付けてくれているのだと思いますが、まだ時々事故や怪我があります。特に朝の登校時間帯は、時間がぎりぎりになるにつれ、スピードが速く無理な運転をする人が増えているようです。特定の場所でルール違反が多いことで、地域の方からの苦情も来ています。一時不停止、危険運転あるいは無理な横断、などです。事故の元ですし、相手に恐怖を与えています。ぜひやめてください。余裕をもって朝早く家を出て、十分注意しながら、運転してください。最近本校で、事故の加害者になってしまったケースも出ています。一瞬にして、多額の賠償金を抱えることになります。それを避ける唯一の方法は、あなたに過失がないこと、つまりルールを守っていることです。
それと皆さんの命を守るヘルメットをぜひ、かぶりましょう。ヘルメットは自転車とセットです。頭を守ることで、命を守れます。万が一に備えましょう。なお、安全に乗るために自転車整備もお願いします。
世界のことで気になるのは、戦争や紛争が増え、民間人の犠牲が増え続けていることです。ロシアによるウクライナ侵攻やイスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘でも多くの民間人が犠牲になっています。「台湾有事」になれば、米軍や自衛隊基地が強化された沖縄は大変な事態に巻き込まれるかもしれません。地球温暖化が原因と言われる猛暑、豪雨、台風の巨大化などによる洪水や土砂崩れなど様々な気象災害私たちの暮らしがどうなっていくのか、先が見通せません。
今できることは、しっかり学び、自立できる自信をつけることです。いつ何があっても自分の面倒を見られる力をつけることです。これは聞き逃してほしくないことです。
ダンス部の活動に対しておけこうせい皆さんに対して桶川市長からメッセージをいただきましたので、ご紹介します。
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桶川高校ダンス部の皆様へ
先日大宮ソニックシティ大ホールで行われた「第32回埼玉政財界チャリティ歌謡祭」の収録では、桶川高校ダンス部3年生の皆さんにバックダンサーとして素晴らしいダンスを披露してくださり、ステージを大いに盛り上げていただき誠にありがとうございました。
相変わらず、私は歌がいつになっても上手くならず、お聞き苦しい歌声になってしまいましたが、ダンス部の皆さんのクオリティの高いダンスで会場を大いに盛り上げていただき、無事にテレビ収録を終えることができました。
当日の様子は、テレビ埼玉で1月1日元日の19時から放送され、1月7日、19時から再放送も行われます。また、今年からYouTube配信されることとなりました。ちなみに、私は10番目の出演者となります。本日お集まりの生徒の皆さんも、ぜひダンス部の素敵なダンスをご覧いただきたいと思います。
結びに、桶川高校の生徒の皆さんの今後益々のご活躍を心よりお祈り申し上げ、御礼とさせていただきます。
ありがとうございました。
令和5年12月22日
桶川市長 小野 克典
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さあ、冬休み、冬休みは、短いです。ぜひ、令和6年を良い年にすると決意しましょう。自ら目標を立て、家族や友達に宣言をして、退路を断って臨みましょう。特に3年生は、卒業し、その先の新しい道をしっかり歩んでほしいです。1,2年生の皆さんも、メリハリをつけてよい冬休みを過ごしてください。
何か心配事や悩みがあるときは、一人で悩まないでください。誰かに話してください。それでは、1月9日に元気な皆さんと会えるのを楽しみにしています。
みなさん、良いお年を! 終わります。
生徒撮影の航空写真(桶川高校全景)を頂きました
2年4組伊藤晴翔さんが撮影し、お父様が家でプリント、額装された、桶川高校全景の航空写真を寄贈いただきました。最近、航空写真など撮ることがない上に、生徒が撮影した、ということで、非常に貴重なものをいただいたと受け止めています。
先日文化祭の折に、ご家族の皆さんに立ち会っていただいて、校長室でプチ贈呈式をおこない、伊藤君と話をしました。
伊藤君は、令和元年、中学1年生の時に、交換留学でアメリカオレゴン州ローズバーグへ行きました。その後、向こうからの留学は新型コロナウイルス禍で中止が続き、ようやく今年再開されました。伊藤家はホストファミリーとして留学生を迎えました。滞在の最終日、祖父の計らいでヘリコプターでの飛行が実現し、桶川高校の上空を飛行した際、伊藤君がシャッターを押して、写真を撮ったそうです。
職員玄関内の壁面に飾ってあります。ご来校の際にはぜひ近寄ってご覧ください。
桶高祭開祭式挨拶
桶高生のみなさん、おはようございます。
いよいよ桶高祭の日がきました。
出し物の…
…準備、心の準備、できましたか。
この夏の暑さに負けない熱さで、みんなで盛り上がりましょう!
感染防止対策の換気や消毒もよろしくね。
令和5年9月2日(土) 放送室から放送で配信
第2学期始業式講話
生徒の皆さん、おはようございます。今年の夏は、とても暑い日はすごく多い、たいへんな夏でした。まだまだ暑い日が続く中ですが、…
…夏休みは終わってしまいました。皆さんは体調を崩さずに、過ごすことができたでしょうか。
今日から2学期、一番長く、一番楽しめる季節です。文化祭、体育祭、マラソン大会、加えて2年生は修学旅行など、大きな行事がいくつもあります。早速明日から2日間、待ちに待った桶高祭です。ただし、新型コロナウイルスやインフルエンザの感染者数が増加し続けています。皆さん自身や周りで感染者が増えてしまったら、もし学級閉鎖になると、そのクラスは全員参加できなくなりますし、学年閉鎖になると、その学年は一切できなくなってしまいます。そして、そうでない学年はやりますけれども、一般公開なしで、校内だけで開催する、ということになります。準備と片付けの期間は開催期間と同じくらい、感染リスクが高いです。一人ひとりの感染対策や部屋の換気を徹底しましょう。みんなで協力して、感染を最小限にとどめましょう。
3点お話しします。まず、夏休みは、部活動や進路活動、後半は文化祭準備で、たくさんの生徒が登校し、活動しました。頑張って、楽しんで、達成できましたか。楽しいことだけでなく、大変なこともあったかもしれません。お疲れさまでした。それらはみな、皆さんの大事な糧です。成長に繋がっていきます。ボランティア活動に参加した人もいました。8月29日、30日には、加納小学校での学習支援に30名の生徒が参加し、夏休み明けの算数の学習のサポートに取り組んでくれました。児童の皆さんは、心から喜び、勉強にも意欲的だったそうです。本当にありがとうございました。これからも、できることを探して、地域の人々の幸せ、地域の発展のために手を貸してくれたら、こんなに素晴らしいことはありません。まだボランティア活動などに参加したことがないという人は、次は、ぜひ、手を挙げてやってみてください。期待しています。
2点目です。今日9月1日は防災の日です。1学期の防災訓練の時に話した通り、関東大震災発生から今日でちょうど100年です。今一度、何もない平時に災害と防災について知識を深め、いざという時には、みんなで助け合いましょう。助け合える下地づくり、普段からできることがあります。ぜひ皆さんも考え、心掛けて行動してください。
3点目です。新たな学期の始まりにあたり、みなさんを激励したく言葉を一つ贈ります。プロ野球選手として、戦後初の三冠王、のちにプロ野球4球団で監督として指揮を執った方、
選手・監督として65年以上もプロ野球の世界で勝負してきた名将といえば、今は亡き、野村克也さんです。お亡くなりになって3年がたちましたが、野村さんの発した言葉が、人々に感銘を与え続け、野村語録として人気を誇っています。書籍も発行されています。
野村さんはこう言いました。「若いときに流さなかった汗は、年老いて涙に変わる」。先ほど、ボランティア活動の紹介をして、まだやったことがない人はぜひ、と言いました。皆さんには、今やっていることでも、今までやったことがないことでも、とにかく挑戦してほしいです。一つ一つは小さなことでも、自分が、これは挑戦だ、と思ってやってみることなら、なんでもいいと思います。
人生は小さな挑戦の連続であってほしい、ぜひ、色々なことに、挑戦してください。
最後に、明日からの桶高祭、私もとても楽しみにしています。終わります。
令和5年9月1日(金)放送室から放送により配信
第1学期終業式講話
皆さん、おはようございます。今日で学校は一区切りとなり、夏休みを迎えます。1学期の振り返りと1つお話をします。
まず、…
…新型コロナウイルスは、ゴールデンウィーク明けから感染症法上の5類に移行され、行動制限がなくなりました。しかしながら、新規感染者数は今も増加傾向です。部屋の換気や個人でできる感染対策は引き続き行ってください。油断は禁物です。文化祭準備も気をつけて行ってください。
学習面では、授業にしっかり、真剣に取り組み、良く学ぶことができました。成績会議で報告された、成績優秀の生徒は、1年生14名、2年生31名、3年生31名でした。はじめて成績優良者のリストに名を連ねることになった3年生の生徒もいると聞きました。よく頑張りました。ここに入れなかった人は次に期待しています。よかった人も、これからの人も経験を2学期以降につなげてほしいと思います。
1学期の間に自転車で転倒や事故で怪我をした件数は、昨年度より減りました。みなさんが気をつけてくれているのだと思います。しかし、マナーの悪さに対する苦情も時々入ってきています。交通社会の一員として、周囲に対する思いやりの心を持って、ヘルメットをかぶって自転車に乗ってください。
さて、昨日は避難訓練を行い、関東大震災と防災についてお話をしました。今日は、関東大震災の後に起きたことをもとに、大災害の後に気をつけたいことなどをお話しします。
災害が起きると、日常が突然失われて、人々が不安定になり、不安がどんどん増します。略奪や性暴力などの不法行為が発生しがちになるのですが、根拠のない「流言」も広まります。なかでも「被災地で外国人の犯罪が増えている」という内容は典型的な災害流言の一つです。今もほぼ災害のたびに確認され、流言を耳にした人のうち8割を超える人が信じて、そして「危険を知らせなくては」との善意でさらに広めてしまうという調査結果があります。大事なことは、「災害の後は流言が広がる、自分の目で見ていないことはすぐに信じてはならない」ということです。
1923年の関東大震災では、「朝鮮人が略奪や放火をした、井戸に毒を入れた」などの流言が広まり、数千人に上る朝鮮人や中国人などが殺害されました。埼玉県でも200人以上の朝鮮人が殺されたことが分かっています。その頃はまだ韓国と北朝鮮に分かれていなくて、朝鮮半島で一つの国でしたので、朝鮮人という呼び方です。
流言を聞いて信じて、日本刀や竹槍、猟銃などで武装した自警団(治安維持のために住民が結成した組織)が、関東一円で3千7百もつくられ、罪もない朝鮮人を次々と襲ったといいます。そんな中、正義を貫いた横浜鶴見警察署の大川常吉署長の逸話が伝えられていますのでご紹介します。<(参考)防災システム研究所ウェブサイト>
『警察史』から抜粋すると(朗読します)、『二日夕、自警団員が四人の男を朝鮮人だと鶴見署に突き出し、「持っている瓶に毒が入っている。たたき殺せ」と騒いだ。当時、46歳の大川署長は「そんなら諸君の前で飲んで見せよう」と瓶の中身を飲み、暴徒を納得させた。翌日、状況はさらに緊迫。大川署長は多数の朝鮮人らを鶴見署に保護する。群集約千人が鶴見警察署を取り囲み、「朝鮮人を殺せ」と激高。大川署長は「朝鮮人たちに手を下すなら下してみよ、憚(はばか)りながら大川常吉が引き受ける、この大川から先に片付けた上にしろ、われわれ署員の腕の続く限りは、一人だって君たちの手に渡さない!」と一喝。体を張っての説得に群集の興奮もようやく収まったかに見えた。しかし、それでも収まらない群集の中から代表者数名が大川に言った「もし、警察が管理できずに朝鮮人が逃げた場合、どう責任をとるのか」と。すると大川は「その場合は切腹して詫びる」と答えた。そこまで言うならととうとう群衆は去って行った。保護された人は朝鮮人220人・中国人70人ら、計300人を超えた。9月9日鶴見警察署から横浜港に停泊中の崋山丸に身柄を移しその後海軍が引き受けて保護した。保護された朝鮮人のうち225名はその後も大川署長の恩に報いるべく震災復興に従事したという。
大川常吉氏は後年「警察官は人を守るのが仕事、当然の職務を遂行しただけ」と語ったと伝えられているが、あの当時、あの状況下で、多数の暴民に取り囲まれながら、しかも署員はわずか30名で多数の朝鮮人らを守り抜いたのは並大抵の胆力と度量ではなかった。覚悟を決め・死を賭して(命を懸けて)の大川常吉氏の行動こそ日本人としての誇りでありヒューマニズムの原点である。
いかがでしょうか。まとめます。大事なことふたつです。ひとつ、災害の後は、混乱に乗じて、流言が流行り、略奪や性暴力などの犯罪が必ず起こります。流言は、信じない、広めないことが大事です。自分で直接確認したことで判断しましょう。ふたつ、正義を貫きましょう。大川常吉氏の行動を一つのお手本として、小さなことから彼に倣いましょう。
最後に、夏休みとその先に向けてです。夏休みは、長そうで短いです。特に、3年生は第一希望進路実現に向けて、非常に大事な時期です。1,2年生の皆さんも目標を持って充実した夏休みを過ごしてください。怠け心に負けないように頑張る、克服することこそが成長です。そこはあなた自身だけが頼りです。
何か悩みがあるときは、一人に悩まないで、話せる先生に連絡してください。学校外の相談先もたくさんありますので、活用してください。それでは、9月1日に元気な皆さんと会えるのを楽しみにしています。
令和5年7月20日(木) 体育館アリーナにて
防火・防災避難訓練の講評
皆さん、おはようございます。私からは関東大震災と防災についてお話しします。よく聞いてほしいです。
今年は、1923年に…
…発生した、関東大震災から100年の節目に当たります。関東大震災が発生したのは9月1日です。その日は「防災の日」と定められています。今の日本の災害対策の出発点となった未曾有の災害です。関東大震災の地震は、9月1日午前11時58分に発生しました。この地震により、埼玉県南部でも当時の最大震度、震度6を観測しました。たくさんの人が東京から逃げてきて何日も混乱があったそうです。
この地震は相模トラフを震源とする海溝型地震でした。人口が集中する首都圏にも近く、家屋の倒潰、山のある所では崖崩れなどの土砂災害、また沿岸部では津波被害といった、多岐に渡る被害をもたらしました。発生時刻は午前11時58分、昼食あるいはその準備の時間と重なり、多くの火災が発生しました。亡くなった方のおよそ9割が焼死だそうです。死者・行方不明者は約10万5千人に及びました。12年前の東日本大震災では死者・行方不明者が約1万8千人で、その9割が津波を主な原因とする溺死でした。また、28年前の阪神淡路大震災では、発生時刻が午前5時46分、市街地で、多くの人がまだ家で寝ていたので、全体の死者行方不明者5千5百人のうち、約7割が窒息や圧死、つまりつぶれた家屋に押しつぶされて亡くなったのです。こうしてみると、地震自体や起きたときの条件によって、被害は全く異なるということが分かります。
地殻変動がある限り、大きな地震は、繰り返されます。予測が難しいため、いつどこでどんなふうに地震に遭うか、分かりません。普段何もない日常の中で、今ここで大きな地震が起きたらどうするのが正解か、その時一緒にいる人と話してみてください。時々、思い出して、そのたびに考えてみてください。今年から桶高手帳に緊急時対応マニュアルが載せてあります。ぜひ一度目を通し、ここにこれが載っているということを覚えておき、いざという時の被害を少しでも減らしましょう。
「備えあれば憂いなし」、防災用品と「今起きたらどうする」の心構えこれは本当に皆さん一人一人の問題です。埼玉はきっと大丈夫、という考えは危険です。埼玉にも活断層はいくつもありますし、最近は水害も増えています。また、みなさん高校生は、地域社会の中では、体力があって、周りの子供やお年寄りを助けることができるすごく大事な若い力です。自分の身を守るということと併せて、いざという時、ぜひ意識を持って行動してくれることを期待しています。
令和5年7月19日(水) 避難後校庭にて
離任式冒頭の話
新学期が始まって一か月弱が経過しました。これまでの学校生活はいかがでしょうか。1年生は高校生活に慣れてきましたか。明日から…
…5連休です。緊張がほぐれるいい時間と思いますが、せっかくできてきた生活リズムを崩さないように、できるだけ平日の生活を意識して過ごし、このあと暑くなってからも有意義で充実した学校生活が送れることを願っています。
離任式の話に入る前に、今日のうんちくを少々お話しします。今日は八十八夜です。八十八夜とは、何か知っていますか。2月4日の立春から数えて88日目のことです。古来、農作業を始めるのによい気候になったよという、暦に書き留めておく覚書の意味がありました。また、この日に摘んだお茶を一番茶として飲むと、一年を無病息災でいられると伝えられています。お茶と言えば、埼玉県は狭山茶が有名で、昔から「色は静岡、香りは宇治よ、味は狭山でとどめさす」というほどです。今日摘むお茶を今日飲むことは、残念ながらできませんが、お茶類は身体にも、リラックス効果は心にも良いものです。皆さん、緑茶を飲む文化の継承者として、覚えていていただけたらと思います。
(以降離任式の話)