校長室

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第50回入学式

 式辞

 ただいま入学を許可した259名の新入生の皆さん、入学おめでとうございます。在校生、教職員一同、皆さんを心から歓迎いたします。また、保護者の皆様、お子様の御入学、誠におめでとうございます。心からお祝いを申し上げます。教職員一同、お子様の進路希望を実現するために、使命感と情熱を持って取り組んでまいります。どうか、桶川高校を信頼していただくとともに、力強い御支援・御協力を賜りますようお願い申し上げます。

 さて、これから3年間、皆さんは、様々な経験をすることと思います。時には、くじけそうになってしまうこともあるかもしれません。そして、その逆境を、自分の力で乗り越えていかなければなりません。

 中高生の作文甲子園で、審査員特別賞を受賞した中学生の作品を紹介します。

 タイトルは「アイスクリーム、食べにいこうか」です。

 「よっしゃー、優勝」

 サッカーの大きな大会で僕のチームは県大会で1位になった。念願の九州大会だ。飛行機や宿泊先の事を考えると、興奮したものだ。しかし、その夢はある日、一気に崩されることになった。

 九州大会派遣のメンバー発表の時、県大会ではずっとメンバー入りだった僕が外された。名前を呼ばれなかった。間違えていると思って聞き返したが、僕の名前は最後まで呼ばれることはなかった。予想だにしてなくて、不意打ちで起きた地獄だった。

 練習が終わり、母が迎えに来てくれた。車に乗った瞬間、涙が流れてきた。

 「メンバーに選ばれなかった。」

 母にそう伝えると、いつもはしつこいくらいに質問攻めの母が何も聞かなかった。

 「アイスクリーム、食べにいこうか」

 夕食前にデザートを禁止にしている母がアイスクリームに誘ったのだ。僕は席につくなり、ずっとうつむいていた。アイスクリームを食べた母が、「おいしいね」と、言った。僕は、「こんな時に何だよ」と思い、顔を上げ、母を見ると、今にもこぼれそうなくらい目に涙をためている母がいた。

 しばらく沈黙が続いて母は話し始めた。

 「どんなに頑張っても、思い通りにならないことってあるんだよ。でもね、何度くじけても何度でも頑張れる力が、とっても大切。そういう人間になって欲しいな」と。

 僕は、「うん」とだけ答え、残っているアイスクリームを口いっぱい頬張り、食べた。自分の事のように涙を流す母に感謝した。そして、母の偉大さを感じた。僕はこの経験を胸に、努力し続ける人になると強く思った。という作文です。

 これからの長い人生、思い通りにならないことはたくさんあります。しかし、何度挫折しようとも、その都度、自分の力で立ち上がること、立ち上がれることがとても大切です。

 新入生の皆さんには、努力をし続ける人になって欲しいと思います。そして、どんなことがあっても、その困難を自分の力で乗り越えられる人になって欲しいと切に願っています。

 新入生の皆さん、伝統ある桶川高校で多くのことを学んでください。そして、3年後、一回りも二回りも大きく成長し、立派に卒業されることを心から期待しています。

 令和3年4月8日  埼玉県立桶川高等学校長 加藤 哲也

令和3年度始業式

  おはようございます。春休み中、大きな事故もなく、今日、こうして、皆さんと令和3年度を迎えられることを嬉しく思います。

 さて、1年以上も続いている長い自粛生活で、多くの人が強いストレスを感じています。

 そのため、心づかいと思いやりの気持ちが欠如すると、ちょっとしたことでもトラブルに発展しかねません。人は、不安を感じると、たとえ悪意がなくても、デマを流したり、自粛警察さながらに、他人の行為を強く批判するといったことが起きたりします。 

 今日は、北海道に住む40代のサラリーマンの話を紹介します。もう何十年も昔の話です。

 仕事が長引き、最終電車ギリギリになってしまった彼は、車掌さんが回って来た時に切符を買えばと思い、切符なしで電車に飛び乗りました。車掌さんが来たので、切符を買おうと財布を出そうとしたところ、どこを探しても財布がありませんでした。

 どこかで落としてしまったのか?

 彼は、そのことを正直に車掌さんに言いました。

 「すみません。お金は明日、必ず返しに行きますから、今日は乗せてください。」

 ところがこの車掌さん、よほど虫の居所が悪かったのか許してくれず、次の駅で降りろと言われてしまいました。次の駅で降りても、家に帰る手段はありません。ホームで寝るにしては、北海道の夜は寒過ぎます。

 どうしようもなくて困っていたら、横に座っていた同じ年格好の男の人が、回数券をくれました。お礼をしたいと、その男性に名前や住所を尋ねたけど、ニコニコ手を振って教えてくれません。借りたことなどすっかり忘れて、なぜ教えてくれないのかと強い口調で言った彼に、その男性は、次のような話をしてくれました。

 「実は、私もあなたと同じ目に遭って、傍に居た女子高校生にお金を出してもらったことがあるんです。その子の名前をあなたと同じように聞きたけど教えてくれませんでした。そして彼女は、「おじさん、それは私のお小遣いだから返してくれなくて大丈夫。それより、今おじさんがお礼だと言って私に返したら、私とおじさんだけの親切のやり取りになってしまうから、もし、私に返す気持ちがあったら、同じように困った人を見かけたらその人を助けてあげてください。そしたら、私の一つの親切が、ずっと輪になって、北海道中に広がるから。そうなるのが、私は一番嬉しいんです。そうするようにって私、いつも、父や母に言われているんです。」 

 日本はとても平和な国です。それは、心づかいと思いやりの心を持った人がたくさんいるからです。桶川高校の皆さんも、心づかいと思いやりの心を持ち、自分がされたら嬉しいことを相手にもしてあげてください。自分がされたら嫌なことは絶対にしないでください。

 今日の午後の入学式で、1年生259人が入学してきます。

 2、3年生の皆さんには、是非とも、心づかいと思いやりの心を持って1年生を迎えて欲しいと思います。期待しています。

着任のご挨拶

 令和2年4月1日、埼玉県立桶川高等学校長として着任しました。  

 桶川高校は、昭和47年(1972年)に開校し、令和3年度、創立50年目を迎える伝統校です。

 良き伝統を継承しつつ、生徒たちが輝き、地域に愛される学校づくりに取り組んでまいります。どうぞよろしくお願いいたします。

 

 埼玉県立桶川高等学校 第17代校長 加藤哲也

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