校長室

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指定校推薦候補者対象講話

 One child, one teacher, one pen and one book can change the world.

 Education is the only solution. Education first.

 「一人の子供、一人の先生、1本のペン、1冊の本が世界を変えることができるのです。教育以外に解決策はありません。教育こそが最優先なのです。」

  これは、17歳のマララ・ユスフザイさんが国連総会で行ったスピーチの最後の部分です。

  マララさんが育ったパキスタン北西部のスワート地区は、タリバンという組織が支配しており、女性が教育を受ける権利を認めていませんでした。今の日本では信じられませんが、多くの女性は学校に通えず、読み書きすらできませんでした。

 そうした状況下で、誰もが沈黙を守っているときに、11歳のマララさんは、勇気を持って、イギリスのBBCのブログに、ペンネームで、女性が学校に通うことを禁止しているタリバンに対しての批判を訴え始めました。そうした活動が、イギリスのメディアなどで取り上げられ、大きな反響を呼ぶようになりました。大人でさえ恐怖で声を上げられない中で、言葉を発し続けたマララさんの勇気が社会を動かしたのです。

 そうした中、15歳になったマララさんは、中学校からスクールバスで下校中に銃撃され、頭と首を撃たれてしまいました。幸い、一命はとりとめましたが、15歳の少女を狙った事件は、世界中に大きな衝撃を与えました。

 そして、その後もひるむことなく、女性も学校に通うことができるようにと世界に訴え続けた勇気ある行動に、世界が感動し、国連でスピーチをすることになり、そして翌年、史上最年少でノーベル平和賞を受賞するに至ったのです。

 タリバンの銃撃にもひるまず、パキスタンの女性教育の火を灯し続けようとしたマララさんの言葉はとても重く、私たち教員の心を強く打ちます。

 今、世界では読み書きのできない大人が約8億人、学校に通えない子供が約6千万人いると言われています。驚くべき数字です。

 今回、ここにいる指定校推薦候補者の皆さんには、こうした世界の情勢にしっかりと目を向け、大学、短大、専門学校で学ぶという自覚と誇りを持ち、失敗を恐れず、自分の為だけではなく、仲間、そして未来を担う様々な人々の幸せを共に考え合える人になって欲しいと願っています。

 そのためには、今日から卒業までの間の過ごし方がとても大切になってきます。

 勉強もせずにのんびり過ごしてしまうと、進学後に困ってしまうのは自分自身です。大学、短大、専門学校への進学はゴールではなく、スタートです。気を緩めることなく、自分のため、そして、桶川高校の後輩のためにも、しっかりとした毎日を過ごして欲しいと思います。

 マララさんが、学ぶことにどれだけの思いを寄せていたのか、そして、何故、命を狙われてまでも学びたいという思いを持ち続けることができたのか、改めて、学ぶということについて見つめ直して欲しいと思います。

 話は以上です。

2学期始業式

 おはようございます。

 夏休みが終わり、2学期が始まりましたが、依然として、新型コロナウイルスの感染拡大に終止符が打たれません。こんな時だからこそ、皆さんには、心づかいと思いやりの心を持った人になって欲しいと思います。

 そこで今日は、半世紀以上も連れ添った妻に先立たれた男性の話をします。

 (略)

 おそらく、こういう対応は、マニュアルにはないはずです。むしろ、職場の規則に反することかもしれません。しかし、その航空会社では、誰も乗務員の行動をとがめたりはしなかったとのことです。

 マニュアルが大切なのは言うまでもありませんが、それを超えるところに感動があり、お客様へのおもてなしの心があります。これが、「安全な空の旅」を仕事としている人たちのプライドで、乗務員の「お客様の心を感じる」ことから生まれているのです。

 相手の心を感じることができれば、もし自分が相手の立場だったらと考えることができれば、もっともっと世の中は良くなっていきます。もちろん、桶川高校も、もっともっといい学校になっていきます。

 そのためにも、皆さんには、心づかいと思いやりをもった人になって欲しいと思います。

 航空会社のように、亡くなった奥様のことを気遣って、席を用意することはできなくても、自分がされたら嬉しいことを相手にもしてあげることはできます。そして、自分がされたら嫌なことは、決してしないこともできます。

 たったこれだけのことですが、大きく人間関係が変わってきます。

 心づかいと思いやりの心があれば、世界でさえ救うことができます。私はそう思います。

 話は以上です。

1学期終業式

 おはようございます。

  「心」は誰にも見えないけれど、「心づかい」は見える。

  「思い」は見えないけれど、「思いやり」は誰にでも見える。その気持ちをカタチに・・

  これは、東日本大震災の直後、民放各局では企業のコマーシャル放映が自粛され、代わって毎日流れていたスポットCMです。(動画)

 このフレーズは、埼玉県内の小・中・高校の校歌の作詞を数多く手がけた、羽生市出身の詩人 宮澤章二さんが作った「行為の意味」という詩から抜粋したものです。

  改めてこの詩を読んでみると、思いやりの心が、如何に大切かを知ることができます。

  震災と感染症という違いはありますが、今日の「国難」を、みんなが心を一つにして乗り越えるためにも、この詩のように美しく生きて欲しいと思います。この数か月、不足するマスクの転売や、購入を巡ってのトラブルがたくさんありました。

 また、デマを流したり、自粛警察さながらに、他人の行為を強く批判するといったことも起きています。

 感染リスクを、いかに上手にコントロールしようとも、どんなに免疫力を高めるための努力をしようとも、明日のことは誰にも分りません。感染した人を非難したり、他人を傷つけることはあってはなりません。

 桶川高校の生徒の皆さんには、こんな時だからこそ、心づかいと思いやりの心を忘れないで毎日を過ごして欲しいと切に願っています。

  話は以上です。充実した夏休みを過ごしてください。

学校再開にあたって生徒の皆さんへのメッセージ

 国の緊急事態宣言や、埼玉県の緊急事態措置がようやく解除され、6月1日(月)から、分散登校という形ではありますが、3ケ月ぶりに学校が再開しました。

 友達と一緒に、桶川高校という学び舎で学べることに感謝しつつ、自分の夢や目標に向かって、一日一日を大切に過ごしてください。

 桶川高校では、共用するドアノブ、スイッチ等は、先生方が毎日消毒をしてくれていますが、生徒の皆さんも、①毎日必ず自分の体温を測ること、②学校生活の中ではマスクを必ず着用すること、③握手やハイタッチ、近距離での会話など、密集・密接場面を作らないこと、④トイレの後などは、石鹸を使ってこまめな手洗いを徹底するなど、引き続き、新型コロナウイルス感染防止に努め、自分や家族、大切な人の健康を守って欲しいと思います。

 もう一つ、学校再開にあたり、心掛けてほしいことがあります。

 それは心づかいと思いやりの心を持ち、自分がされたら嬉しいことを相手にもしてあげること、そして、自分がされたら嫌なことは絶対にしないことです。

 長い間の自宅での生活で、多くの人が強いストレスを感じています。そのため、心づかいと思いやりの気持ちが欠如すると、ちょっとしたことでもトラブルに発展しかねません。

 人は、不安を感じると、たとえ悪意がなくても、デマを流したり、自粛警察さながらに、他人の行為を強く批判するといったことが起きたりします。

 脳科学者の中野信子氏によれば、人間の脳には「他人を引きずり下ろしたり、自分よりも上だと思っている人が失敗したときに快感を覚える」という「シャーデンフロイデ」と呼ばれる働きがあり、嫉妬や妬みなどの負の感情を抱きやすいところがあるそうです。

 日本は、とても豊かな国ですが、近年、自分だけ、自分の関係することだけが良ければよいという風潮が蔓延しています。そんな世の中であってはいけません。

 皆さんには、心づかいと思いやりの心を忘れずに、桶川高校を、心楽しい空間にして欲しいと思います。期待しています。

 

令和2年度始業式(未実施)

 4月8日(水)の始業式(未実施)における校長講話を掲載します。(桶高通信と同様の内容です)

 おはようございます。

 コロナウイルスの感染拡大防止に伴う臨時休業など、昨年度末から通常とは違うことが続いています。皆さんには、こんな時だからこそ、心づかいと思いやりの心を持った人になって欲しいと思います。

 ユニセフを皆さんは知っていますね。全ての子どもの命と権利を守るため、最も支援の届きにくい子どもたちを最優先に、190の国と地域で活動し、様々な支援活動や、子どもの権利条約の普及活動に努めている組織です。

 このユニセフが、先月、世界に向けて警鐘を鳴らしました。

 世界人口の40%に当たる30億人が、石鹸で手を洗う設備が自宅にないこと、そして、世界の学校の47%も同様の設備がなく、児童・生徒数では、約9億人に当たるという驚くべき内容でした。

 私たちは、日本の水道普及率が、98%を超えているということを忘れてはいけません。いつでもどこでも好きなだけ水を流して手を洗える環境は、広い世界の中では希なのかもしれません。石鹸を付けての手洗いは、感染症から身を守るうえで、最も安価で効果的な手段ですが、それすら手に届かない人が、何十億人もいるからです。

 日本は、いつでも水道が使えて、その水で、手洗いやうがいができる平和な国です。それは、心づかいと思いやりの心を持った人がたくさんいて、人のために頑張ってくれている人がたくさんいるからです。

 東日本大震災の時も、電気や、交通網の復旧に向けて懸命に働いてくれた人がいました。そして現在も、新型コロナウイルス感染症の最前線で奮闘する医療関係者を筆頭に、生きていく上で大切な食料やライフライン(電気・ガス・水道等)の供給の仕事、鉄道やバスなど公共交通機関に関わる仕事、物流を支えるトラックドライバー、生活の支援に当たる市役所の職員、警察官や消防の救急隊員、さらにはスーパーやドラッグストアの店員さんなど、多くの人が懸命に働いてくれています。

 学生である皆さんが、今、できることは、こうした人たちへの感謝の気持ちを忘れないこと、常に、心づかいと思いやりの心を持ち、自分がされたら嬉しいことを相手にもしてあげること、そして、自分がされたら嫌なことは絶対にしないことです。

 この心づかいや思いやりの気持ちは、是非、言葉にしてください。それは、感謝の気持ちを誰かに伝えることで、気持ちに余裕が生まれ、精神的な安定が得られるからです。

 まずは、「おはようございます」とか、「こんにちは」という挨拶から始めてみましょう。

 話は以上です。

着任のご挨拶

  令和2年4月1日、埼玉県立桶川高等学校長として着任しました。 

 

 桶川高校は、昭和47年(1972年)に開校し、今年度、創立49年目を迎える伝統校です。

 良き伝統を継承しつつ、生徒たちが輝き、地域に愛される学校づくりに取り組んでまいります。どうぞよろしくお願いいたします。

 

 埼玉県立桶川高等学校 第17代校長 加藤哲也

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